いずみペット霊園・ペット火葬

〒981-3217 宮城県仙台市泉区実沢字上ノ原9番地

0120-730-940
お問い合わせフォーム

ペットに関する情報 ペットに関する情報

特許から見えてくるペットフードの傾向【前編】|どんな企業の特許があるの?

2025年09月29日

メーカーが新製品を開発する場合、開発初期の段階で特許を出願(申請)することが多くなっています。出願された特許の内容は通常1年半後に、インターネットを通じて無料で一般公開されます。論文や学会発表とは異なり、特許情報は誰でも見られるのです。特許を見れば、ニュースリリースなどからよりも相当に早く新製品開発の兆候を知れます。
ペットフードに関する特許も、各社から相当の数が出願されています。そこで本ブログでは、2回にわたって、ペットフード(主に、犬・猫用)に関する日本に出願された特許を分析した結果として、出願件数の推移、出願件数の多い企業、技術領域などの傾向をご紹介します。

特許出願数の多い企業は、ペットフード市場の主要プレイヤー

まず、ペットフードに関する特許が、どのような企業から出願されているのかを知るために、2013年から2023年までの日本の特許出願を分析してみました。
以下に、ペットフードに関する日本特許の出願件数が多い上位10社を示します。

【ペットフード関連の特許出願数ランキング(上位10社)】

(※2013年~2023年の出願)

○ 1位 ネスレ(スイス):191件
○ 2位 ユニ・チャーム142件
○ 3位 マース インコーポレイテッド(米国)114件
○ 4位 ヒルズ・ペット・ニュートリション(米国)99件
● 5位 花王・32件
● 6位 DSM(オランダ)24件
● 7位 雪印メグミルク22件
● 8位 ニップン15件
● 9位 ペットライン14件
● 9位 小林製薬14件

ペットフードに関する日本特許の出願件数が多い企業は、ネスレ(スイス)、ユニ・チャーム、マース インコーポレイテッド(米国)、そしてヒルズ・ペット・ニュートリション(米国)の4社です。これらの企業は、日本におけるペットフード市場のシェア上位を占める企業(主要プレイヤー)と見事に一致します。出願数上位4社の特色は、次のとおりです。

【ペットフードに関する特許出願数が多い上位4社=主要プレイヤー】

○ ネスレ(スイス)
世界最大の食品・飲料企業。事業は多岐にわたり、コーヒー・飲料、菓子、調味料、ペットフード、栄養補助食品など、生活のあらゆる場面に関わる製品を製造・販売している。チョコレート菓子「キットカット」や、コーヒー「ネスカフェ」は、世界中で愛されている。近年、カプセル式のコーヒーメーカー「ネスプレッソ」も人気を博している。
ペットフードは、日本において、ネスレ日本から、「ピュリナ ワン」、「モンプチ」、「フィリックス」などの商品が販売されている。

○ ユニ・チャーム
生理用品、紙おむつ(ベビー用・大人用)、ペットケア用品において、日本国内トップシェアを誇る。祖業は、建材の製造・販売。生理用品の「ソフィ」、介護用品の「ライフリー」、ベビー用紙おむつの「ムーニー」などのブランドを世界中で展開している。海外売上高の比率が6割を超える。
犬・猫用ペットフードのブランドには、「銀のスプーン」、「ベストバランス」、「愛犬元気」、「All Well」などがある。また、犬・猫用排せつケア用品として、「デオトイレ」、「デオシート」、「マナーウェア」などのブランドの商品が販売されている。

○ マース インコーポレイテッド(米国)
数々の強力なブランドを擁する、世界有数の食品会社。事業の主な柱は、「菓子・食品」と「ペットケア」である。
菓子・食品事業については、チョコレート菓子の「スニッカーズ」や「M&M’s」が日本の消費者にもおなじみ。
もう一方のペットケア事業は、世界最大級の規模を誇る。ドッグフードからキャットフード、デンタルケア製品まで幅広く展開。日本でも、マース ジャパン リミテッドから、「ペディグリー」、「カルカン」、「シーザー」、「シーバ」などのブランドのペットフードが販売され、消費者に広く浸透している。

○ ヒルズ・ペット・ニュートリション(米国)
科学的根拠に基づいたペットフードを製造・販売する、ペットの臨床栄養学における世界的リーダー企業。日用品大手のコルゲート・パルモリーブ社の傘下に入っている。
「米国の獣医師が推奨するNo.1ブランド」であることを強みとして、専門家からの厚い信頼がブランドの根幹を支えている。製品は主に、健康なペット向けの「総合栄養食」と、特定の健康課題を持つペット向けの「特別療法食」のカテゴリーに分けられる。主力ブランドは、総合栄養食では「サイエンス・ダイエット」、特別療法食では「プリスクリプション・ダイエット」。日本では、日本ヒルズ・コルゲートから、ペットショップやホームセンター、動物病院などで販売されている。

特許への意識が高いユニ・チャーム

ペットフードの日本市場の主要プレイヤーのうち、ユニ・チャームは、特許出願数が多いだけでなく、他社と比べて登録率(特許庁の審査合格率)が高くなっています。同社の特許は、質の面でも他社を圧倒しています。
これは、ユニ・チャームが自社の商品を守るために、特許をはじめとする知的財産を積極的に活用している結果の表れであると考えられます。例えば、プレミアム商品では、新技術の特許を取得することで他社の模倣を防ぎ、商品の差別化を図っています。同社は、知的財産に対する意識が高い企業です。

なお、特許の内容は、出願から1年6か月後に公開されます。今回の分析時点(2025年8月)では、2024年以降に出願された特許の一部は公開されていません。そのため、分析対象は、2023年出願分までとしています。

なぜ? 減っているペットフード関連特許

次に、2013年から2023年のペットフードに関する特許出願件数の推移を見ますと、出願件数は、2019年の204件をピークに、減少傾向にあります。2023年の出願件数は、ピーク時の約3分の1となっています。

これに対して、ペットフードの国内市場は、矢野経済研究所が実施した調査(https://www.yano.co.jp/press-release/show/press_id/3906)などにもあるとおり、2020年以降も拡大し続けています。

データを見る限り、ペットフードに関する特許出願数の減少と、ペットフード市場の拡大とは、矛盾しているようにも思えます。
日本のペットフード市場が拡大を続ける一方で、ペットフードに関する特許出願の件数が減少傾向にあるのは、どうしてなのでしょうか。

2020年以降、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックにより、ペットフードメーカーも他の多くの企業と同様に、影響を受けました。
加えて、2022年から2023年にかけて、国際情勢の不安定化により原材料・資材関連費や、物流関連費・人件費などが高騰したり、円安が進行したりした結果、企業の収益が圧迫されました。企業内でコスト削減に努めるものの、それだけでは、利益や品質の確保に限界がありました。
そこで、企業では、即時の利益につながりにくい基礎研究や、成果が出るまでに時間がかかる新規技術開発への投資を抑制すると同時に、短期的な製品改良やマーケティング活動にリソースを集中させる傾向が強まったと考えられます。
2020年から2023年までの間に特許出願数が減少をたどった一因には、ここまで書いてきたような背景があるのではないでしょうか。

もっとも、ペットフード関連の特許出願数の減少は、業界の衰退を示すものではありません。経済環境の変化などに対応するため、メーカー各社が特許の数ではなく、質を重視していることの表れであるとも分析できます。

次回は、ペットフード関連特許の技術領域の傾向、ペットフード関連特許の例をご紹介したいと思います。

仙台市泉区の「いずみペット霊苑」では、犬・猫をはじめとするペットの火葬から、納骨、供養まで、スタッフ一同、心を込めてサポートいたします。毎年3月と10月には、合同慰霊祭を開催して、多くの方々に参加いただいています。
仙台でペットの火葬のこと、お墓のことをお考えの方は、「いずみペット霊苑」までお気軽にご相談ください。

↓↓↓お問い合わせは、こちらからどうぞ↓↓↓
https://www.izumi-pet.com/contact_form/