介護施設や医療機関において、犬などの動物と触れ合う「アニマルセラピー」を活用する動きが広まっています。リラックスしたり、楽しい気持ちになったりするだけでなく、認知症予防や病気の治療に前向きにさせる効果などが期待されるためです。
そこで本記事では、アニマルセラピーの具体的な内容や効果をご紹介したいと思います。
「アニマルセラピー」とは、動物と触れ合うことによって人間に癒しを与えることです。
ペットが安心してくつろぐ姿を目にすると、ペットの飼い主の方も、安心して心が穏やかになります。また、ペットをなでると、気持ちよい感触で癒されます。
このようなペットが飼い主の方にもたらす癒しの力を、飼い主の方以外の人たちにも分かち合おうと、アニマルセラピーという形でその機会が提供されています。
動物が介在することで、人間の体を健やかに、心を幸せにして、人や社会とのつながりを築くことが、アニマルセラピーの主な目的です。
アニマルセラピーは現在、医療や介護、教育など、さまざまな分野で活用されています。
アニマルセラピー活動は、目的などにより、おおまかに次のように分けられます。
動物と触れ合うことにより楽しい時間を共有、レクリエーションとして楽しんでもらうことを目的とする活動です。一般に、アニマルセラピーと呼ばれる活動の多くは、このタイプです。高齢者施設やグループホーム、ホスピスなどで行われています。動物がいるだけで笑顔や会話が増え、和やかな気分や雰囲気となります。
人間の医療の現場で行われる代替医療の1つです。医療従事者が、機能や病状の回復を図るために、治療を受ける方に合わせた明確な治療目標を設定したうえで、適切な動物とボランティア(ハンドラー)を選択。ハンドラーは、医療従事者の立てた計画に沿って、動物をハンドリングします。治療後は、治療効果を評価します。
動物と暮らしたことのない子どもたちに、動物との正しい接し方を体験学習したり、命の大切さや思いやりの心を育んだりしてもらうために、小学校、幼稚園や保育園などを訪問して行われる活動です。人間の脳がさまざまなことを一番吸収しやすいのは、10歳ごろまでとされています。そうした時期に動物と触れ合う機会を持つことにより、子どもの知能や社会性を育てる、という教育効果も期待できます。
虐待などの被害を受けた子どもが、自分の受けた経験について、安心して、司法関係者や医療従事者などに話せるよう手助けをするために特別に認定され、派遣されるのが付添犬(つきそいけん)です。付添犬は、事情聴取などで自分のつらい体験を思い出すことで、さらなるトラウマを抱えないように寄り添い、精神的にサポートします。2020年7月には、関東の地方裁判所において被害者の子どもが刑事裁判の公判で証言する際、初めて付添犬の同伴が認められました。
発語に課題を抱える子どもの読み聞かせ相手として、「読書サポート犬(読書介助犬、読書教育支援犬)」もいます。たとえ読み間違えたり、つっかえたりしても、犬はそれを指摘せずに、寄り添い、聞き役に徹してくれるため、子どもは気兼ねなく本を読め、安心感や自己肯定感が芽生えます。欧米には、図書館に常駐して働く読書サポート犬もいるそうです。日本の図書館などでも近年、読書サポート犬の活動は広がりを見せています。
アニマルセラピーがもたらす主な健康効果は、次のとおりです。
高齢者の方は、運動不足になりがちです。しかし、セラピー犬と接することで、セラピー犬との散歩が楽しみとなります。定期的に体を動かすことにより、病気のリスクを低下させ、健康増進につながります。また、外で日を浴びてセラピー犬と散歩すれば、「幸せホルモン」と呼ばれるセロトニンの分泌が促進。心身のリフレッシュにもなります。その結果、認知症の予防も期待できます。
例えば、脳血管障害により手が不自由になった高齢者の方が、セラピー犬をなでようと不自由なほうの手を伸ばすことで、リハビリ効果につながります。
また、言葉がうまくしゃべれなくなった高齢者の方が、セラピー犬に「お座り」などの指示を出して、セラピー犬がそれをできた時に褒めたり、セラピー犬の名前を呼んで話しかけたりすることにより、言葉の回復につながります。
セラピー犬に触れていると、どんな人も思わず笑顔になります。人間は、笑うことにより、快楽をつかさどる物質の1種であるエンドルフィンが脳内で分泌され、ストレスや痛みから解放されて、幸せな気分になります。
また、セラピー犬に話しかけたり、セラピー犬を介してアニマルセラピストと話したりすることで、心がオープンになる、という精神的な効果もあります。
緩和ケア病棟のがん患者がセラピー犬との触れ合いを通じて、看護師とのコミュニケーションが円滑になったとの報告もあります。
また、NPO法人 日本アニマルセラピー協会の大村敬氏によれば、初めてセラピー犬に接した高齢者施設の入居者の方が、セラピー犬が介在することで、アニマルセラピストとも初対面であっても、まるで昔からの顔なじみであるかのように会話が弾むそうです(日本義肢装具学会誌. 2022, vol. 38, no. 4, p. 285-291)。さらに、セラピー犬とアニマルセラピストが施設を定期的に訪れることにより、セラピー犬との触れ合いを通して、アニマルセラピー参加者間のコミュニケーションも生まれます。
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