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ペットとしての野生動物の安易な飼育にご注意

2025年01月14日

日本では、多種多様な生き物が、ペットとして又はふれあい利用を目的として、飼われています。最近では、モモンガやフクロウなどの野生動物がペットとして人気があります。
わが国は、年間40万頭もの生きた野生動物を世界各地から輸入しています。それらの中には、絶滅が心配されている動物種も少なくありません。
そこで本記事では、ペットとして野生動物を飼う際の注意点について、WWF(世界自然保護基金)ジャパンのWebサイト「エキゾチックペットガイド」(https://www.exoticpetguide.org)を参照しつつ、ご説明したいと思います。

「どこから来たのか分からない動物」のリスク

野生動物の場合、犬や猫などとは違って、ペットショップなどの販売事業者からさかのぼって由来を特定するのは非常に困難です。これは、血統書(血統証明書)などの出生を証明するシステムが確立されていないことに加え、出身地からペットショップに至るまでの間に、さまざまな国の業者や、複数の航路・空路を経て取引されることが多いからです。その複雑な流通ルートが故に、追跡が難しく、トレーサビリティー(追跡可能性)が確立されていません。トレーサビリティーが確立されていない野生動物の個体は、適切な健康診断やワクチン接種、検疫を受けていない可能性が高いため、未知の病原体を保有しているおそれがあります。

このような「どこから来たのか分からない動物」をペットとして購入する場合、大きなリスクがあることを事前に認識しておく必要があります。

飼育に法律上の問題があるおそれも

一部の動物は、輸入や取引、飼育そのものが、条約や法律によって禁止・制限されています。

野生動物の中には、絶滅が懸念されている種も少なくありません。そのような動物の保護を目的として、ワシントン条約※1という国際条約が定められています。同条約では、野生動物の種を絶滅リスクのレベルに応じてカテゴリーに分けています。「国際取引を規制しなければ絶滅する可能性があると懸念されている動物」というカテゴリーに分類されている動物が最も多く、その中には、日本でペットとして取引されている動物も多数含まれています。このカテゴリーに属する動物は、商取引のための輸出・輸入は可能ですが、それには、輸出国政府が発行する「輸出許可書」が必要となります。

また、人間と動物に共通して生じる感染症を予防する観点から、動物の輸入を規制している法律(感染症法※2、狂犬病予防法)もあります。これらの法律では、例えば、人間に感染症を引き起こす危険性の高いサルやコウモリ、プレーリードッグなどをペットとして飼育する目的での輸入が禁止されています。

※1 ワシントン条約の正式名称は、「絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約」です。
※2 感染症法の正式名称は、「感染症の予防及び感染症の患者にする医療に関する法律」です。

人間との生活になじんでいない

野生動物は、ペットとして長い歴史のある犬や猫とは異なり、人間との生活になじんでいません。そのため、ペットとして決して飼いやすいとは言えません。
例えば、ペットとして人気のあるコキンメフクロウは、専門家によれば、攻撃的で神経質な一面があるとのことです。なれさせようとするには、一定の知識と技術、経験が必要ですので、決して飼育しやすい動物ではありません。
また、飼い主の方によってSNSでかわいらしい姿が拡散されたり、直接触れ合えるカフェが登場したりして人気を集めているコツメカワウソは、鋭い歯と強いあごを持つため、かまれると大けがをする場合があります。飼育下における適切な餌は、まだ分かっていません。広い飼育スペースと十分に泳ぎ回れる環境の確保も必要です。そうしたことから、コツメカワウソは、家庭での飼育には不向きと言えます。

飼う前にペットショップにご確認を

ここまで、野生動物をペットとして飼うときの注意点を説明してきました。このような注意点を十分に理解したうえで、野生動物ペットの飼育を検討しましょう。

購入の際は、次に示す項目をペットショップに確認することが必要です。
飼おうとしている動物が、

野生で絶滅の危機に瀕(ひん)していないか
条約や法律・条例によって輸入、販売や飼育が規制されていないか
「繁殖個体(飼育下繁殖)」や「CB(Captive Bred)」といった表示は、本当にそのとおりなのか
日本のペットショップへどのようなルートでやって来たのか
密猟されたか、密輸された個体ではないか

…など
です。

購入をお考えの動物がペットショップで売られているからといって、安全、安心とは限りません。そのペットショップが法律を守って誠実に取引しているのか、そもそも、その動物が販売されていること自体がおかしくないのかをしっかりチェックしましょう。安全性や合法性が確認できない野生動物ペットは、購入を控えるのが無難です。

また、WWFジャパンのWebサイト「エキゾチックペットガイド」(https://www.exoticpetguide.org)を参照されるのもよいでしょう。

なお、既にペットとして飼われている野生動物につきましては、動物由来感染症のリスクがないとも限りませんので、適切な衛生管理下で、亡くなるまで責任を持って飼育する必要があります。

仙台市泉区の「いずみペット霊苑」では、犬・猫をはじめ、ハムスターやリス、小鳥、ウサギなどのペットの火葬から、納骨、供養まで、スタッフ一同、心を込めてサポートいたします。

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